【生成AI】IT人材のAI利用が急増 現場の生成AIエンジニアが語る「本当の課題」とは


IT人材の約7割が「業務でAIを利用した経験がある」と回答し、前年の1.5倍に増加したという調査結果が発表されました。しかし、生成AIを専門に扱うエンジニアの視点から見ると、この数字の裏には大きなギャップが存在します。
私はLLM開発やAIエージェント構築、自動化などを担当する生成AIエンジニアとして、日々企業のAI活用を支援しています。その経験から、現場で起きている“リアル”をお伝えします。
Copilotが企業で普及する理由
企業のAI利用で最も存在感を増しているのは、Microsoft Copilotです。 その理由は非常にシンプルで、企業の多くがMicrosoft 365を契約しているからです。
CopilotはExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、日常業務で使うツールと深く連携しています。 そのため、資料作成やメール整理、会議の要約、データ分析など、これまで人が時間をかけていた作業の多くをAIが肩代わりできるようになります。
この統合性こそが、企業にとっての最大の強みです。 AIのために新しいツールを覚える必要がなく、自然に業務の中にAIが入り込んでいきます。
AIエージェントを使える人と使えない人の差
調査では、AIエージェントを業務で使っている人は3割に満たないという結果でした。 しかし、現場で見ていると、この差は“スキル”ではなく“意識”によって生まれています。
AIエージェントを使いこなす人に必要なのは、特別な技術ではありません。 必要なのは、
- まず触ってみるやる気
- 自分の業務を分解して考える姿勢
- 試行錯誤を続ける根気 だけです。
実際、エージェントを作れる人は「とりあえず作ってみた」経験が多い人です。 逆に、使えない人の多くは「自分の業務のどこにAIを使えるのかわからない」という段階で止まってしまいます。
現場で最も深刻な課題
AIの便利さは誰もが理解しています。 しかし、導入が進まない理由は明確です。
「自分の業務のどこをAIに任せればいいのかわからない」
この一点に尽きます。
AI導入の本質は、
- 業務フローの整理
- 作業の分解
- 自動化できる部分の発掘 です。
つまり、AIの知識よりも“業務理解”が重要になります。 企業が本当に取り組むべきは、AI教育よりも、業務の棚卸しと再設計です。
生成AI時代に必要な危機感
私は生成AIエンジニアとして、強い危機感を持っています。
IT社員は、生成AIを「使う側」「作る側」になれなければ、今後仕事が激減する可能性があります。
これは誇張ではなく、現場で確実に起きている変化です。
さらに、IT業界以外の人でも、AIを使いこなせないと時代遅れになるリスクがあります。 生成AIは専門家だけが扱う技術ではなく、すべての職種に必要な“標準スキル”になりつつあります。
読者へのメッセージ
AIを使うこと自体が目的ではありません。 AIを使って価値を生み出すことが重要です。
そのためには、
- 小さく試す
- 失敗を恐れない
- 業務を分解してみる
- エージェントを作ってみる といった行動が必要です。
生成AIの普及はこれからさらに加速します。 その波に乗れるかどうかは、今日からどれだけ触るかで決まります。


