
その裏にあった“収益モデル”と、今回の規制の意味
X(旧Twitter)は、AIを使った自動返信ボット、いわゆる「インプレゾンビ」「リプライゾンビ」への対策として、API経由の自動返信を大幅に制限すると発表しました。 では、そもそも インプレゾンビはなぜ大量に生まれたのか? その背景には、Xの収益構造とユーザー行動の変化が深く関係しています。
■ 1. インプレゾンビとは何か?
- 話題の投稿に自動でリプライを送りつける
- AIが生成した文章を大量に投稿
- 1つの投稿に数十件の似たコメントが並ぶ
- 投稿内容は「当たり障りのない称賛」「薄い感想」が中心
つまり、人間のふりをした“自動返信ロボット” です。

■ 2. なぜこんなに増えたのか?
→ Xの「インプレッション収益」が原因
Xは2023年以降、 投稿のインプレッション(表示回数)に応じて収益が発生する仕組み を導入しました。
その結果:
● ①「とにかく表示されれば勝ち」という構造が生まれた
→ 内容が薄くても、リプライ欄に表示されれば収益になる。
● ② 話題の投稿に“ぶら下がる”のが最も効率的
→ バズっている投稿のリプ欄は人が大量に見る。 → 自分のリプが表示されるだけでインプレッションが稼げる。
● ③ AIで文章を量産すれば、ほぼ自動で稼げる
→ ChatGPTなどで文章生成 → APIで自動投稿 → 24時間働き続ける“収益ロボット”が完成
つまり、 「AI × インプレ収益 × 自動化」 が組み合わさったことで、インプレゾンビが爆発的に増えたのです。
■ 3. インプレゾンビの“収益モデル”はこうだった
● ① 話題の投稿を監視
→ APIでトレンドやバズ投稿を自動取得
● ② 自動でリプライを生成
→ ChatGPTなどで文章を作成 → 「すごい!」「感動しました!」など無難な内容
● ③ リプ欄に大量投稿
→ 1投稿につき数百〜数千インプレッション
● ④ インプレ収益が発生
→ 1日数百円〜数千円 → アカウントを複数運用すれば月数万円〜数十万円も可能
● ⑤ さらに“フォロワー増加”の副産物
→ リプ欄で目立つためフォロワーが増える → 広告案件やアフィリエイトにもつながる
つまり、 「自動化すればするほど儲かる」構造 が完成していたわけです。

■ 4. 今回の規制で何が変わるのか?
Xは今回、APIの返信機能を 「投稿者からメンションされた場合のみ」 に制限しました。
これにより:
- 無関係な投稿に自動返信 → 不可能
- リプ欄のスパム → 大幅に減少
- インプレゾンビの収益モデル → 崩壊
つまり、 “自動返信で稼ぐ”というビジネスモデルはほぼ終了 します。
■ 5. それでも残る課題
- エンタープライズAPIは対象外 → 大規模業者は継続可能
- 手動投稿の“半自動化”はまだ可能
- AI生成文の見分けはますます困難に
完全な解決には、 AI生成コンテンツの識別 や アカウントの透明性向上 が必要になります。
■ まとめ:インプレゾンビは“AI時代の副作用”だった
インプレゾンビは、
- AIの普及
- 自動化ツールの進化
- インプレ収益の導入
が重なった結果生まれた“時代の産物”です。
今回の規制は、 SNSの健全性を取り戻すための大きな一歩 と言えるでしょう。










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