韓国で「AI基本法」が施行 世界初の包括的AI規制法でどんな影響がある?

韓国政府は2026年1月22日、AI分野における信頼性と安全性の確保を目的とした「AI基本法」を施行しました。AIを対象とする包括的な規制法の導入は世界で初めてとされています。
この法律では、原子力、飲料水生産、輸送、ヘルスケア、信用評価や融資審査など、社会的影響が大きい分野で使用されるAIについて、企業に人間による監視を義務付けています。また、生成AIを利用した製品やサービスについては、企業がユーザーに事前通知を行うことが求められ、AIが生成した内容が現実と区別しにくい場合には、明確なラベル表示を行うことが規定されています。
違反した企業には最大3000万ウォン(約300万円)の罰金が科される可能性がありますが、行政処分の開始までには最低1年間の猶予期間が設けられています。
米国は技術革新を重視した緩やかな規制を採用しており、中国は複数のAI関連ルールを導入し、国際的な規制調整機関の設立を提案しています。こうした状況の中で、韓国の包括的な規制法は国際的にも注目されています。
AI基本法がもたらす可能性のある影響
企業のAI運用コストの増加
監視義務やラベル表示などの要件により、企業は監視体制の整備やシステム改修が必要となる可能性があります。特にAIを扱う企業では、追加の運用コストが発生することが考えられます。
金融・医療・インフラ分野の安全性向上
対象分野には原子力、飲料水生産、輸送、ヘルスケア、信用評価などが含まれます。これらは社会的影響が大きいため、人間による監視義務は安全性向上につながる可能性があります。
生成AIサービスの透明性向上
生成AIの利用をユーザーに事前通知し、AI生成物にラベル表示を行う義務があるため、韓国内のAIサービスでは透明性が高まる可能性があります。
スタートアップへの影響
法律の詳細が未確定であることや規定の曖昧さから、新興企業がリスク回避のために保守的な開発を選ぶ可能性が指摘されています。一方で、政府はベンチャー企業への支援強化を指示しており、制度的な支援が拡充される可能性もあります。
国際的なAI規制議論への影響
韓国が世界初の包括的AI規制法を施行したことで、国際的なAI規制の議論が進む可能性があります。他国が韓国の制度を参考にする動きが出ることも考えられます。
企業のAI利用ガイドライン整備の加速
罰金規定やラベル義務により、企業はAI利用ポリシーやデータ管理体制の整備を進める必要があります。これにより、企業内のAI利用ルールが強化される可能性があります。


